課題解決に向けて

アンケートから見る避難所

私たちは、女性、特に女子高生の意見を聞くため、お茶の水女子大学附属高等学校の生徒を対象に、避難所の現状に関する認知度についてアンケート調査を実施し、227人から回答を得ました。

調査方法:アンケート用紙の配布
調査期間:2019年11月11日〜12日
対象者:女性227人(お茶の水女子大学附属高等学校1・2年生徒)
調査項目:以下を参照
<<PDFを開く>>
●避難所のイメージは「狭く窮屈」「プライバシーが守られない」!
アンケート結果をもとに独自で作成

避難所のイメージを自由記述で聞き結果をまとめたところ、「狭く窮屈である(27%、回答数126)」「プライバシーが守られない(14%、回答数67)」「不便である(10%、回答数45)」「不衛生である(10%、回答数43)」などが挙がり、避難所に対しマイナスのイメージが強いことがわかりました。

●避難所で弱者となる人と聞いて思い浮かぶのは、高齢者と障がい者!
アンケート結果をもとに独自で作成

避難所で弱者となる人はどんな人だと思うか自由記述で尋ねると、「高齢者」(26%、回答数142)と「障がい者」(17%、回答数96)を挙げる回答が目立つ結果となりました。一方、「幼い子供と母親」(12%、回答数64)、「女性」(8%、回答数42)、「妊婦」(7%、回答数38)という自由記述も見られ、女性が弱い立場に置かれていることを認識している人もいることがわかりました。

●避難所で性別特有の配慮が必要だと考える人が大多数!
アンケート結果をもとに独自で作成

「避難所で性別特有の配慮が必要だと思うか」について、「1必要」、「2できなくてもやむを得ない」、「3必要ない」、「4考えたことがなかった」という4つの選択肢から選んでもらいました。グラフから、回答者全員が若い女性であるということもあり、多くの人が性別特有の配慮が「必要」だと考えている(76%、回答数172)一方で、「できなくてもやむを得ない」と考える人も15%(回答数35)、「必要ない」と考える人もいることがわかります。

●避難所では男性より女性への配慮が必要!
アンケート結果をもとに独自で作成

「避難所で男性への配慮が必要だと思いますか?」、「避難所で女性への配慮が必要だと思いますか?」という質問をそれぞれしたところ、「配慮が必要だ」と考える相手は、男性より女性の方が多い結果になりました。調査対象が女性のみであることは無視できませんが、女性への配慮がより重視されるのは、現時点では配慮が不足していると考えられていることを示唆しています。また、どんな配慮が必要かについても聞きました。

避難所で必要だと思う配慮 TOP3
男性に対して 女性に対して
No.1 トイレ 着替え
No.2 着替え 生理
No.3 男性専用スペース トイレ
アンケート結果をもとに独自で作成

男性に対して必要だと思う配慮についても、あくまでも女性目線から見たものであり、男性の意見が反映されているものではありませんが、更衣室やトイレへの配慮が上位に入り、女性に対して必要だと思う配慮と大きな違いはありませんでした。このことから、避難所の更衣室やトイレが使いやすく安全なことが大切であると考えていると言えるでしょう。

●避難所に物資が確保されていない場合があることを知らない人がほとんど!
アンケート結果をもとに独自で作成

避難所に必ず確保されていると思うものについて、「1食料」、「2水」、「3トイレ」、「4仕切り」、「5寝具」、「6風呂」、「7着替え」、「8救急用品」、「9生理用品」、「10オムツ」、「11粉ミルク」から、選んでもらったところ(複数回答可)、「水」と「食料」が必ず確保されていると思っている人が多いとわかりました。しかし前述の通り、避難所に物資が揃っているとは限らないため、公助に頼ることを当てにせず家庭で備えておくことが大切になります。


 続いて、私たちは男性の意見も聞きたいと考え、2名の男性にインタビューを行いました。

調査方法:直接お会いして質問する
調査期間:2019年12月27日、28日
対象者:関東地方在住の20代の男性2名(AさんとBさん)
調査項目:以下を参照
<<PDFを開く>>

 東日本大震災の後1ヶ月以内に、ボランティアとして宮城県気仙沼市の避難所を訪れたAさんが見た避難所は、「多くの人が狭いスペースに密集している」「プライバシーが保たれず、他人の会話がよく聞こえてしまう」「快適な温度ではない」という状況だった、と教えて下さいました。Bさんは避難所生活やボランティアの経験はありませんが、授業やニュースを通して同じようなイメージを持ったということです。

 避難所で弱者となるのはどんな人だと思うか尋ねたところ、お二人とも高齢者を挙げました。女性を避難所での弱者と捉えていたのはBさんお一人でした。Aさんは、避難所では家族ごとにまとまって過ごしており女性が一人で避難しているケースを見かけなかったため、女性の立場の低さをあまり感じなかった、とのことです。

 一方で、避難所での性別特有の配慮は、お二人とも必要だとしました。男性への配慮に関しては意見が分かれ、Aさんは「必要でない」と回答されました。女性(お茶の水女子大学附属高校の生徒)にアンケートを行った際には、避難所で男性に対して必要な配慮として「トイレ」、「着替え」、「男性専用スペース」を挙げる声が多かったのに対し、男性に伺うと男女の体格の違いを考慮して配る食事の量を多くしてほしい、という意見があり、なるほどと感じました。女性の意見として、男性に必要な配慮に「トイレ」、「着替え」、「男性専用スペース」が挙がったのは、裏を返すとそれらを男女別にしてほしいという女性側の要望の表れと言えるかもしれません。女性への配慮はお二人とも必要だという意見で、具体的に必要な配慮として挙がったのは「着替え」、「仕切り」、「衛生面の配慮」でした。女性へのアンケートで多かった「着替え」、「生理」、「トイレ」と大差ない結果となりました。

 最後に、避難所に必ず確保されていると思うものを尋ねました。お二人の回答に共通していたのは「トイレ」、「救急用品」でした。女性へのアンケートで、多くの回答があった「水」と「食料」を選ばなかったAさんに理由を聞くと、ボランティア活動で訪れた避難所には水が人数分足りなかったというエピソードを聞くことができました。この他に「仕切り」、「寝具」、「生理用品」、「オムツ」という回答もありました。