課題解決に向けて

困っている女性がいたら

●自分事と捉える!

 前述した通り、災害時は女性への暴力が増えると言われています。もしセクハラや暴力の現場に直面したり、女性から被害の相談を受けたりした時は自分が被害に遭った時のことを考えて、助け合うことが大切です。

 東日本大震災女性支援ネットワークの「東日本大震災『災害・復興時における女性と子どもへの暴力』に関する調査報告書」によれば、被害に遭った女性に対して、苦しみを過小評価する・暴力を黙認するよう強いる・被害の相談を信じないなどの対応を取り、さらに傷つけてしまう場合も見受けられるそうです。被害に遭った人の心をさらに傷つけないよう、周りが気を配ることが必要です。

●積極的に声掛けする!

 避難所での生活は心と体の健康に大きな影響を及ぼします。困っている方を見かけたら、手伝うことはないか声を掛けてみましょう。

 しかし、外見からは配慮や援助を必要としているかわかりにくいこともあります。そんな時に役立つのがヘルプマークです。ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう作成されました。ヘルプマークを身につけているかどうかにも気を配りましょう。

 また、産前産後の母親と乳幼児は特にデリケートだと言われています。次のような症状が出ている時は医療機関を受診するよう勧めましょう。(厚生労働省「被災地での健康を守るために」より)

  • 妊婦…お腹の張り・痛み、出血、胎動の変化、むくみ、頭痛、目がチカチカする
  • 産後間もない母親…発熱、悪露の急な増加、キズの痛み、乳房の腫れ・痛み、母乳分泌量の減少
  • 乳児…発熱、下痢、食欲低下、哺乳力の低下

●互いに支え合おう!

 避難所生活は、大人だけでなく子供にとっても大変なストレスとなるため、いつもと違う行動を取ることがあります。しかし、こうした変化は自然なことです。周りの大人は、子供の反応は当然であると受け止め様子を見守る必要がありますが、「子供がうるさい」と迷惑がられ避難所から出ざるを得ないケースも少なくありません。また、子供のいつもと違う様子には、保護者も戸惑ってしまうものです。

 次のグラフは2017年7月に熊本市男女共同参画センターが、熊本地震を経験し熊本市内に居住する未就学児を持つ女性を対象に、避難所生活で不安に感じたことについてアンケートを行った結果を示しています。

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熊本市男女共同参画センターはあもにい「熊本地震を経験した『育児中の女性』へのアンケート報告書」 http://harmony-mimoza.org/aboutus/report/docs/jishin_ikuji_report.pdf

 グラフから、幼い子供を持つ女性は、「希望する支援物資が手に入らない」ことよりも、子供が周囲に迷惑をかけることや衛生環境、子どもが過ごす場所がないことに不安・不便を感じていることがわかります。また「その他」の自由記述には、「子どもを抱えたまま長時間並ぶことはできず、必要な物資をもらえなかった」、「夜でも電気がついたままで、子どもを寝かせるのに苦労した」、「乳児の近くでタバコを吸われ、健康面が不安になった」といった声が寄せられています。以上からわかるように、避難所は子どもを持つ女性にとって極めて厳しい環境であるので、境遇が似ている保護者と交流することで、共感し合える相手を得ることができ、それが心の支えとなります。