避難所をめぐる現状と課題

インタビュー

 2019年5月、1年生が学年合宿で長野県諏訪郡下諏訪町を訪れました。下諏訪町は長野県のほぼ中央に位置し、南は諏訪湖に面している町です。諏訪湖は中央構造線と糸魚川静岡構造線が交差する位置にあり、活動度が高い活断層が諏訪盆地を造っているため、将来 高い確率で大地震が発生するといわれています。そのため、下諏訪町では「防災意識日本一のまち」となることを目指し、行政と住民が協働でさまざまな活動をしており、女性防災士の育成を重要視しています。1年生が訪れた際には、「防災ネットワークしもすわ」の方に具体的な取り組みについてお話を伺いました。そのご縁で、今回防災ネットワークしもすわの会長を務める髙橋敦子様に電話でインタビューをさせていただくことができました。

 下諏訪町が女性防災士の育成に力を入れるようになった理由を伺いました。

 阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などの災害が起こった際、避難所に避難した女性たちは強いストレスと不満を抱いたと言います。髙橋様は、その理由として、女性が男性と平等でないことが挙げられると教えてくださりました。震災時、皆が不安な気持ちを持っていて本当に欲しいのは情報なのに、情報の発信や受け取りの窓口を担当するのは男性で、女性に情報が行き届かないことも少なくありません。また、男性が力仕事を行うと日当が出るにもかかわらず、女性は自己犠牲や男性が思う女性の役割を押し付けられ、避難所でも料理など家事と同じような仕事をすることを求められる傾向にあります。本来、男性も女性も避難所での仕事は公平に割り当てられるべきですが、避難所では男女共同参画が実現できていない現状があるそうです。

 このような現状を変えるために、女性がただ災害弱者として扱われるのではなく、避難所で活躍していくことの重要性を強調されていました。女性が避難所の運営に関わることで、女性用品は女性の担当者が配布するなど女性のニーズに応えることができます。また、私たちにとって特に新鮮だったのが、女性の職能を活かす工夫が必要であるというお言葉です。例えば、看護師といった専門的な知識を持つ女性は、その経験と知識を用いて避難所の環境を改善することができます。そのため、子供がいても、託児所を設けるなどして子育てのサポートをすることが大切です。不公平な扱いを受け避難所での立場が弱い、という側面に目が行きがちでしたが、女性が避難所をよりよくし、復興を支える大きな力となる、ということに改めて気づかされました。

 1年生が見た防災漫才の模様はこちらから見ることができます。会長の髙橋敦子様と事務局長の小松直人様がコンビを組み、漫才で楽しくわかりやすく防災知識を伝えておられます。